手技とは

最近、海外向けの論文を書く関係で、アメリカの bachelor やmaster の degree を持っている方達とお話をする機会が多く、これらの方達は、STEM 教育 のScience 部門でも特に優秀な人間が進む、Biology や Genetics を先行している方たちなので、一緒にお話をするだけでも勉強になります。

STEM教育(ステムきょういく)とは、"Science, Technology, Engineering and Mathematics"  の略で、アメリカの大学生でもGPAが特に高くなければ、このSTEM の専攻はできないのです。私は " M " はMedical と思っていましたが、Medical とLaw つまりphysician とLawyer は 別格だそうです。
よく、「日本の医療は10年遅れている」とか、「日本の栄養学は20年遅れている」という話をよく耳にします。実際にアメリカやヨーロッパと比べると、 Science の部門では特に遅れを取っているのが現状でしょう。また、 Science だけでなく、Technology や Engineering 、 Mathematicsまた Medical の領域でも後れを取っています。

当然、私が、海外で科学や医学を学んだ方たちとお話をすると、こういうことをおっしゃいます。「日本で海外より発展している技術なんかないですよね?」 たしかにそうです。例えば、外科手術などをみても一部の日本人医師は頑張っていますが、平均すると全体のレベルは低いらしいです。ただ、私はこういう一流の科学者や学者に対して、いつもこのように言います。「手技は日本の方が上ですよ」この言葉に対して、海外で一流の教育を受け、degree も一流のものを取得している方達でも、すべての人が「あ、そうですね」と回答します。

Technology の発展により、医学部門では画像診断が進歩し、Science の発展により、より細かい分子レベル、粒子レベルの詳細な情報が明らかになりました。これによって、海外では「手」による、触診能力が著しく低下しているように見えます。これに対して、日本においては、レントゲンなどの画像診断が医療類似行為をする施術家にはできないため、「手」によって患者さんの悪いところや、施術するところを決めるしかありませんでした。しかしこの状況が、われわれ日本人セラピストの「手技」を進化させたのです。

これから仕事を選択するとき、AIに仕事を取られない職や資格を選ぶ必要があります。少し前に校閲の仕事をテーマにしたドラマが放送されていました。私の長男は、なぜか他の教科に比べて、国語の成績がよかったので、これを生かせる仕事として、校閲などもいいなと思っていましたが、これらの業務もAIにとって代わる可能性があるので、勧めるのは止めました。医療などもAIが行うようになるという人もいますが、これは無理ですね、技術的には可能かもしれませんが、AIに人の命の責任は取れないので、最終判断は人間が行うでしょう。我々の業界はどうでしょうか? すでにエステなどは、機械中心になっているので、もしかしたらAIに領域を侵されるかもしれません。 では、手技療法はどうでしょう? これは100%無理ですね、理由は、指先の感覚や微妙な身体の反発はAIでは絶対に実現できません。もう一つ理由があります。 人間の身体をとりまく、エネルギー体、呼び方はいろいろありますが、オーラやエーテル体、アストラル体などのことです。この概念や感覚はAIでは絶対に無理です。我々は手技、つまり手による施術を通して、目に見えないものにもアプローチしているのです。
日本が誇る「手技」、つまり「手」による施術を世界に広げるため、またさらに進化させるために当協会は設立されました。皆さんとともに進化したいと思います。