和整體理論の根本原理、アンチシンメトリーとは?
皆さんよく知っているように、脳には右脳と左脳があります、また、内臓も左右で臓器が異なります。肺のように左右にある臓器でも右と左では、形状が異なります。同じく、骨盤も左右で形状が微妙に異なります、ですのでその機能も異なります。
人間は脚が2本あり、それぞれの脚でその機能が異なります。右利き左利きのように、脚にも利き脚と、軸足という概念があり、それぞれの脚で課された「仕事」が変わります。そして、その左右の仕事が違うということは、それぞれの脚の筋肉の付き方や、靭帯のでき方も変わります。ですので、静止状態つまり寝かせた状態にして、脚長を診た場合、当然、そろってはいない状態が正常であり、身体が安定している除隊になります。和整體では、この軸足には軸足の仕事を、利き脚には利き脚の仕事をさせるということが、骨に対しての基本理論になります。
内臓の調整は内臓の位置感覚へのアプローチ
すべての細胞には、「自然治癒力」が備わっており、悪いもの(ウィルスなど)が入ってきたら、それに対して抵抗し身体の状態を安定させています。この自然治癒力の中には、「位置を正常に戻す能力」も含まれており、身体を重力に対して、安定させています。
内臓とは、細胞の集合体ですので、内臓自体もそれぞれの臓器同士でバランスをとっているのです。ですので、内臓調整は内臓の位置感覚にアプローチし、内臓の位置を正常なところに戻すことが重要になっています。それによって、内臓が持つ「本来の能力」を取り戻し、身体の状態を安定させてくれます。このように、内臓調整でも施術結果がおおいに期待されますが、和整體では、骨格を整えるための補助技術になります。仙腸関節を調整することによって、骨盤の安定性を手に入れることができます。そしてその骨盤の安定性を保ちながら、腰や胸椎をそろえていきます。腰椎、胸椎は内臓の影響を受けやすい部分です、ですので、和整體では、骨格の調整の補助技術として内臓へのアプローチをいたします。
頭蓋骨調整の目的は、硬膜のゆがみをとること
さて、骨盤から背骨を安定させたら、その中にある硬膜を利用して、背骨をさらに安定させる必要が出てきます。ただ直接、硬膜を動かすことは難しいので、ここでも骨である頭蓋骨へアプローチします。前述の「相対性」を用いると、和整體での頭蓋骨調整の基本理論は、骨盤、特に仙腸関節に対しての頭蓋骨調整になります。脚長のところで、軸足と利き脚という概念を説明しましたが、頭蓋骨にも軸足側の、利き脚側でアプローチが変わってきます。また、頭蓋骨を調整することによって、その内側にある硬膜の歪みをとり、それによって胸椎や腰椎などの細かな歪みも調整することができるのです。
骨盤⇔背骨⇔内臓⇔背骨⇔硬膜⇔背骨⇔頭蓋骨
「平衡」とは、自然界で最も強い力です。そして、自然界は「安定」を常に求めています。ですので、身体の様々な問題を治そうと考えるとき、そのには、「力」が必要になってきます。その力の源は、骨格を中心とした安定を追求した施術になります。
日本人にあった整体法
和整體は、長谷澄夫先生(当時国際整体協会代表)と故・七沢賢治先生との対話の中で生まれたものです。
「健康」というテーマ、それも「人類の健康」といったスケールの大きな視点で、そのテーマを常に自分自身の使命として常に取り組んできたお二人。
その二人の共通の思いは、「日本人にあった整体法があり、それの整体法が日本人の健康を支えるものになる」という思いです。
日本人(または、日本語を話す人々)にいくつかの特徴があることが指摘されています。それは、脳の使い方であったり、Y染色体、その他の身体的、精神的特徴です。
その違いが、他の民族に比べてどうかということとは関係なく、私たちの身体的精神的特徴を受け入れて、私たちにあった方法で「日本人の健康を創る」必要があります。
それは、生涯健康であることを支える技であり、先ほどの「予防」のためのものといえます。
また、それらの技を、自分自身で行うこと(セルフケア)ができれば、継続して健康維持することもより現実的になっていきます。
私たちは、生まれてから今まで一時も「呼吸」を失ったことがありません。「呼吸」こそが「生きる」ということであり、「呼吸」の中に、生命のすべての情報が入っているといっても過言ではないのです。
その呼吸の在り方をまず掴むことから、和整體の教えは始まります。それは、「息吹」を掴むことであり、日本古来の考え方からみれば自らの内に宿る神を掴むことと同じなのです。
和整體の共同開発者である七沢先生とは
故・七沢先生は、言霊学研究の第一人者であり伯家神道の秘儀継承者として知られていますが、一方で、独自の整体法を開発し広く普及させてきた実績も持っています。
その手法は、武田信玄の時代から甲斐の国、山梨に伝わる伝統的な整体法を基本としています。さらに、七沢賢治はそれを「自律神経反射療法」として当時東京大学の研究員をしていた李先生(現在、復旦大学教授)とともに高度化するとともに、自宅で簡単に実践できるセルフケアの手法として確立しました。
七沢賢治が提唱した、この家庭でできる整体法は、多くの実践者が今も自宅で取り組んでいます。
和整體プロジェクトにかける思い
今回の和整體プロジェクトは、「人類の健康を支える」その「公(おおやけ)の願い」から生まれたものです。
故・七沢賢治先生と和整體の創始者、長谷先生が、これまでの生涯をかけて培ってきた健康哲学やノウハウが惜しみなく提供されます。
七沢賢治先生はよくおっしゃっていました。「オープンマインドヒューマンネットワーク」。これからの時代、「人工知能」の発達によって、人類社会は完全に新しい次元へ突入するとされています。
そういった新しい時代は、これまでどちらかというと「秘伝」として伝えられてきた内容が、すべて「公」にされて初めて価値を持つ時代なのです。